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Dionaea ハエトリソウ
概要
ハエトリグサ(学名:Dionaea muscipula)は、モウセンゴケ科に属する食虫植物である。
捕虫葉と呼ばれる特殊な葉で小動物を捕らえ、消化吸収する特徴を持つ。
特徴
- 捕虫葉は長さ2~3cm、幅1~2cmで、赤みを帯びた内側に消化腺がある
- 白い花を咲かせ、開花期は5~7月である

分布
原産地は北アメリカ合衆国東部の限られた地域(ノースカロライナ州とサウスカロライナ州の州境付近)で、湿地帯に自生している。現在は観賞用として世界中で栽培されている。
生態
- 栄養分の乏しい土壌に適応し、不足する窒素分を昆虫から補っている
- 主な餌動物は小昆虫類(ハエ、アリ、クモなど)である
捕食の仕組み
捕食捕虫葉の感覚毛が30秒以内に2回刺激されると、電気信号が発生し、葉を閉じる。その後、消化酵素を分泌して昆虫を分解し、栄養分を吸収する。消化には約10日かかる。
保護状況
自生地の開発や乱獲により、野生の個体数は激減している。
IUCNレッドリストでは絶滅危惧種(VU:Vulnerable)に分類されており、保護活動が行われている。商業的な栽培個体は多いものの、野生の遺伝的多様性の保全が課題となっている。
多くの植物園や自然保護団体が、ハエトリグサの保護と繁殖プログラムを実施している。また、一般家庭での栽培を通じて、この興味深い食虫植物の魅力を広め、保護意識の向上にも貢献している。