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Sarracenia サラセニア
概要
サラセニアは北アメリカ東部に自生する食虫植物の属である。筒状の捕虫葉(ピッチャー)を持ち、昆虫を捕らえて栄養とする特徴的な植物である。
特徴
捕虫葉は筒状で、上部に蓋(リッド)があり、その下には蜜腺が存在する。捕虫葉の内側には下向きの毛と消化液が分泌され、昆虫を捕らえて消化する。花は一つずつ付き、5枚の花弁を持つ。八重咲もある。




分布
北アメリカ東部の湿地帯に自生しており、特にフロリダ半島からニューファンドランドにかけての地域に多く見られる。主に貧栄養な酸性湿地に生育する。
生態
捕虫葉の蓋の下にある蜜腺から甘い蜜を分泌し、昆虫を誘引する。誘引された昆虫は滑らかな内壁と下向きの毛により捕虫葉の底に落下し、消化液によって分解される。栄養分は特殊な腺から吸収される。
保護状況
湿地開発や園芸目的の乱獲により、多くの種が絶滅の危機に瀕している。特にSarracenia oreophilaとSarracenia alabamensisは野生での個体数が著しく減少しており、保護が急務となっている。
CITESについて
サラセニアは2017年1月2日からCITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)附属書I及びIIに掲載されています。
- 附属書I指定種:Sarracenia oreophila
- Sarracenia rubra ssp. alabamensis
- Sarracenia rubra ssp. jonesii
- 商業目的の国際取引は原則禁止
- 学術研究等の目的の場合のみ、輸出入許可証が必要
- 附属書II指定種:その他全てのサラセニア種
- 国際取引の規制(輸出許可証が必要)
- 持続可能な利用を確保するための管理が必要
これらの規制は野生個体の保護を目的としており、人工栽培された個体については、適切な証明があれば取引が可能です。
種類
原種
- S. purpurea - プルプレア
- S. flava - フラバ
- S. leucophylla - レウコフィラ
- S. minor - ミノール
- S. psittacina - プシタシナ
- S. rubra - ルブラ
- S. alata - アラタ
- S. oreophila - オレオフィラ
- S. rosea - ロゼア
- S. alabamensis - アラバメンシス
- S. jonesii - ジョーンズィー
自然交雑種
- S. × areolata (S. leucophylla × S. alata) - アレオラータ
- S. × catesbaei (S. flava × S. purpurea) カテスベイ
- S. × chelsonii (S. purpurea × S. rubra) - チェルソニー
- S. × courtii (S. purpurea × S. psittacina) - コーティー
- S. × excellens (S. leucophylla × S. minor) - エクセレンス
- S. × exornata (S. purpurea × S. alata) - エクソナタ
- S. × formosa (S. minor × S. psittacina) -フォルモサ
- S. × gilpinii (S. rubra × S. psittacina) - ジルピニー
- S. × harperi (S. flava × S. minor) - ハーペリ
- S. × moorei (S. leucophylla × S. flava) - ムーレイ
- S. × mitchelliana (S. purpurea × S. leucophylla) - ミッチェリアナ
- S. × popei (S. flava × S. rubra) - ポペイ
- S. × readii (S. leucophylla × S. rubra) - リーディー
- S. × rehderi (S. rubra × S. minor) - レーダーイ
- S. × swaniana (S. purpurea × S. minor) - スワニアナ
- S. × wrigleyana (S. leucophylla × S. psittacina) - リグレヤナ