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Heliamphora ヘリアンフォラ

 
 

概要

ヘリアンフォラ (Heliamphora) は、食虫植物の一種で、サラセニア科ヘリアンフォラ属に分類される植物群である。南アメリカのテプイ(台地状山地)に自生する固有種として知られている。

特徴

捕虫袋(ピッチャー)と呼ばれる筒状の葉を持ち、その中に消化液を溜めて昆虫などの小動物を捕食する。袋の上部には蓋状の構造(スプーン)があり、これが雨水の流入を防ぐ役割を果たす。花は白色で、長い花茎の先端に咲く。
 

分布

ベネズエラ、ガイアナ、ブラジルの国境地帯に位置するギアナ高地のテプイに分布する。特に標高1,500~3,000メートルの高地に生育している。

生態

栄養分の乏しい土壌環境に適応し、不足する窒素分を昆虫などの捕食によって補っている。捕虫袋には消化酵素を含む液体が溜まっており、捕らえた獲物を分解して養分を吸収する。高地特有の強い紫外線や激しい気象変化に適応している。

保護状況

生息地が限られていることや、環境変化に対して脆弱であることから、多くの種が絶滅の危機に瀕している。違法な採取や生息地の破壊が主な脅威となっている。IUCNレッドリストでは複数の種が絶滅危惧種に指定されている。